中学校の教科書が変わるとどうなるの?|新学習指導要領について

皆さまご存じかと思いますが、2021年度から中学校の教科書が変わります。

このブログでは、具体的に何がこれまでと変わるのか?をお伝えしますので、今後の学習計画の参考にしていただければと思います。

なぜ教科書が変わるの?

教科書の改訂は、『学習指導要領』の改訂に伴って行われます。

『学習指導要領』とは、全国のどこで教育を受けても一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準のことを指します。

この『学習指導要領』は、9~10年ごとに改訂され、その当時の時代背景に合わせて変化していきます。

今はどんな時代?

今の子ども達が社会に出るころには、「社会の変化は加速度を増し複雑で予測困難となってきており、しかもそうした変化が、どのような職業や人生を選択するかにかかわらず、全ての子供たちの生き方に影響するものとなっている。社会の変化にいかに対処していくかという受け身の観点に立つのであれば、難しい時代になると考えられるかもしれない」と言われています。

その背景には、情報化・グローバル化の加速・AIの飛躍的進化などがあります。

逆にそのような時代だからこそ、子ども達は、「変化を前向きに受け止め、私たちの社会や人生、生活を、人間ならではの感性を働かせてより豊かなものにしたり、現在では思いもつかない新しい未来の姿を構想し実現したりしていくことができる」ので、そのために必要な資質・能力を確実に育むことが必要です。

・・・と、なんだか小難しい言葉ばかりが並んでいますが(*_*;

このようにして、国はその時代に合わせて子ども達にどのような教育を授けるか、ということを考えています。

改訂はいつ行われるの?

改訂は小・中・高と段階的に進んでいきます。

すでに今年度(2020年度)に、小学校全学年の一斉改訂が行われ、一足先に小学校の教科書が改訂されました。

そして来年度(2021年度)に、中学校全学年の一斉改訂

再来年度(2022年度)から、高校の『年次進行』で改訂が進みます。

図にするとこんな感じです↓(新・学習指導要領の教育課程を『新課程』と表記します。)

新学習指導要領改訂

 

中学校の教科書、今と何が変わるの?

では、教科書は何がどのように変わると云われているのでしょうか?

大きなポイントを3つお伝えしておきます。

(1)「思考力・判断力・表現力」の育成をより重点化

新学習指導要領では、従来の「知識・技能」の習得はもちろんのこと、その理解していること、できるようになったことを『どう使うか』ということに重点をおいているようです。

→教科書の中に、「自分で考える」問題や「表現してみる」問題が増えていきそうです。(実際にまだ教科書本体は見ていないのでどれくらい増えているかはわからないのですが(*_*;)

(2)情報量の増加

最近の公立高校入試の問題にも増えてきましたが、日常生活との関連、対話文を取り入れたコミュニケーション、さまざまな情報(統計・資料・図版・写真など)、読解量が増加するといわれています。

→教科書がより分厚くなっていくということですね・・・(*_*; とはいえ、数学・理科・国語・社会は、現在の教科書のブラッシュアップ版だそうです。

(3)英語の教科書は質・量ともに大幅アップ

今回の教科書改訂で圧倒的に変わると云われているのが「英語」の教科書です。

京都市・大津市で採択される教科書「NEW HORIZON」では、中学3年間で習う単語数が122%アップ。1373語から1671語まで増えます。

また宇治市で採択される教科書「Here we go!」は、なんと…185%アップです。1236語から2287語まで増え、中学1年生で習う単語数は1000語を超えます。(旧教科書3年分とほぼ変わりませんね(*_*;)

しかも、「授業は原則英語で」となっています。

果たしてこれ、、本当に学校の授業で実現可能なのでしょうか。おそらく学校の先生方もこれからの英語指導に向けて様々な準備をされていることと思いますが、英語については特に、混乱が予想されます…(*_*;

 

教科書が変わると、どうなるの?

上記でお伝えしたとおり、特に『英語』については「かなり難しくなった」「英語がわからない!!」と感じる生徒さんが増える可能性が高いと思います。

外国語教育の充実!!ということで、小学校5年生から「英語」が「教科」として扱われ、小学校の間に「600~700語程度」の単語習得が必修となりました。(これまでは中学で約1200語程度の習得でした)

その前提で(小学校で単語習得している前提で)、中学校の教科書が始まり、新たに「1600語~1800語程度」の単語習得が必修に。

小学校・中学校合わせて2200語~2500語の単語習得をしたうえで、高校の英語が始まる・・・という流れです。

また中学校の英語で習う文法の中に、これまで高校で習っていた文法(仮定法・原形不定詞・現在完了進行形)が移動してきます。

小学生のご家庭には、お子様が英語に躓いてしまう前に、「英語って楽しい!」「英語をもっと知りたい!」と思えるような学習を始めることをオススメします。

また、これから中学生になるご家庭は、早めに中学英語予習をスタートさせ、中学校が始まってから英語に躓かないように準備を始めておいたほうがイイですね。

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私たち個個塾グループも、新学習指導要領の改訂に伴い、目下新しい中学教科書の情報を集め、来年度の指導に向けて準備しております。

英語に限らず、現在の学習内容、これからの学習内容にご不安な点がある場合は、お気軽に教室までご相談ください。