2025年の大学受験を迎えるにあたって、現在の受験システムには大きな変化があります。2022年度に学習指導要領の改訂があり、各教科の科目変更や「情報Ⅰ」の新設など、新課程の内容を基準とした入試が始まります。
2022年度の学習指導要領の改訂についての記事はこちら
この記事では、現在の大学受験の特徴や、受験生に求められる戦略、そして保護者が高校生を支援するために知っておくべきポイントについて解説します。
- 大学入学者選抜の変化:総合型選抜と学校推薦型選抜の割合が拡大
近年、大学入学者選抜の方法は多様化しています。従来の「一般選抜」に加え、「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」といった選抜方法があります。特に、推薦入試や総合型選抜の割合が増えており、今後さらに重要な役割を果たすことが予想されます。
2024年の大学入学者選抜の方法は、以下のように分かれています。
- 一般選抜:約50%
- 学校推薦型選抜:約30%
- 総合型選抜:約20%
このように、現在の大学受験では、一般選抜が依然として大きな割合を占めている一方で、推薦入試や総合型選抜の割合が増えてきています。私立大学だけでいうと、学校推薦型選抜の割合は約40%、総合型選抜の割合は約20%と、学校推薦型選抜と総合型選抜で半数を超えていることになります。
多くの場合、一般選抜は1月に入試が始まりますが、学校推薦型選抜は11月から、総合型選抜は9月から入試が始まります。学校推薦型選抜には、指定校推薦と公募制推薦がありますが、指定校推薦に関しては、早い学校では6月に募集要項の発表、7月には校内選考が行われる場合もあります。志望大学や学部、また、それらの入試方法など、高校3年生になってからではなく、高校1年生のうちから、大学受験を意識して、情報収集をしていく必要があります。
2.選抜方法の特徴
一般選抜(旧一般入試)
思考力と判断力が求められる共通テスト
一般選抜は、依然として多くの大学入試で採用されている方法です。国公立大学の入試方法としては、1月に行われる共通テストと2~3月に行われる個別学力検査の合計得点で合否が判断されるのが一般的で、最も広く採用されている選抜方法と言えます。
共通テストは、センター試験に代わる新しい試験として、2021年から実施されています。この共通テストでは、従来のセンター試験よりも「思考力・判断力」が重視される傾向にあります。単なる知識を問う問題ではなく、情報を分析し、論理的に考え、適切な判断を下す能力が問われます。
例えば、英語や数学では、単に文法や計算を解くのではなく、問題文を読み解き、背景知識を活用しながら解答を導く力が試されます。これにより、受験生には「考える力」が必要となり、暗記中心の学習だけでは対応できなくなっています。思考力や判断力を養うためには、日々の学習で問題解決能力を高めることが重要です。
私立大学の入試
私立大学の一般選抜においては、共通テストを利用した出願と利用しない出願があり、大学によって出願方法や回数は様々です。私学の個別試験では、一般的に専門科目が多く出題され、学科によっては、独自の問題が出題されることもあります。特に、私立大学では、大学ごと、また、学部や学科ごとに試験内容が大きく異なるため、志望する大学、そして、学部や学科の入試情報を早期に収集し、個別試験に特化した対策を行うことが重要です。
学校推薦型選抜(旧推薦入試)
指定校推薦は、大学があらかじめ特定の高校に対して推薦枠を設け、その高校の生徒を対象にした選抜制度です。指定校推薦を受けるためには、学校内での成績や人物評価が優れていることが求められ、推薦枠内での選考を経て、大学に提出された推薦書に基づき選ばれます。これにより、学生は指定校推薦を受ける高校内での活動や成績が重視され、一般入試よりも競争が少なく、早期に進路が決まる利点があります。
公募制推薦は、大学が全国の高等学校に対して広く推薦を募集する制度です。公募制推薦では、特定の学校に限らず、幅広い学校から応募が可能で、応募者は大学が定めた基準に基づいて選考されます。この推薦は、成績や人物評価だけでなく、課外活動や自己推薦の内容が評価対象となるため、学力に加えて自分自身の強みや個性をしっかりアピールすることが重要です。
どちらの推薦方法も、進学を早期に決めるための有力な手段となり得ます。ただし、推薦を受けるためには、その学校での成績や活動が重視されるため、日々の努力と自己表現が鍵となります。
総合型選抜(旧AO入試)
総合型選抜は、学力試験だけでなく、小論文や面接などを通じて、多角的に受験生を評価する選抜方法です。この選抜方法は、学力のみに依存しないため、受験生には「自己PR」や「志望動機」、「将来のビジョン」などをしっかりと整理し、アピールできる力が求められます。
総合型選抜を受けるためには、高校1年生から自分の強みや興味を見つけ、それを深めていくことが大切です。また、ボランティア活動やクラブ活動、学外活動などを通じて、自己表現やリーダーシップを養うことも、総合型選抜を成功させるためのポイントとなります。
- 高校1年生から意識すべき戦略:学校成績を高く保つことの重要性
大学入学者選抜の方法が多様化する中で、特に「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」を考える場合、高校1年生からの成績や活動が非常に重要となります。推薦入試を受けるためには、学年ごとの成績を着実に上げ、学校内での評価を高く保つことが必須です。また、総合型選抜においても、学業以外の活動において積極的に取り組み、自己PRに繋がる実績を作ることが求められます。
さらに、一般選抜においても、高校1年生から基礎的な学力を積み重ね、思考力や問題解決能力を高めることが、後の受験に大いに役立ちます。特に共通テストでは、基礎学力に加え、思考力を養うための演習や問題解決能力を意識的に鍛えていくことが重要です。
- まとめ
近年の大学受験では、総合型選抜や学校推薦型選抜の重要性が増しており、高校1年生からの成績や学校内での活動が受験の合否に大きな影響を与える時代となっています。また、一般選抜においても、共通テストで求められる思考力や判断力を意識した学習が重要となります。
高校生は、早い段階から自分の志望校や入試方法を考慮し、それに向けた勉強や活動を計画的に進めることが成功への鍵です。保護者の方々も、子どもたちが自分の進路を見据えて適切な戦略を立てられるよう、サポートをしていくことが求められます。
今から意識的に学び、努力を積み重ねることで、大学受験を有利に進めましょう。
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