令和10年(2028年度)以降|大阪府公立高校入試はこう変わる
― 一般選抜へ一本化/「学校特色枠」新設/第2志望校の出願機会/英語外部検定の活用など ―
対象:公立高校進学をご検討中の保護者様・中学生(2025年度中1以下の学年)
はじめに
大阪府は、令和10年度(2028年度)以降の公立高等学校入学者選抜制度を見直します。現行の特別選抜と一般選抜を「一般選抜」に一本化し、合格発表後から入学までの準備期間を確保する狙いです。制度の骨子を、分かりやすく整理しました。(詳細は毎年度の募集要項で最終確認をお願いします。)
まず全体像(要点)
項目 | 新制度(令和10年度~)のポイント |
---|---|
選抜の枠組み | 特別選抜・一般選抜等を「一般選抜」へ一本化。不足分は二次選抜で補充。 |
日程 | 一般選抜の学力検査等の基準日は3月1日。帰国生選抜などは2月16日基準日で先行実施。 |
出願の幅 | 同一校内の学科間「複数志望」を認める(同一問題を使用)。さらに公立第2志望校への出願機会を設定。 |
学校特色枠 | 合格者決定第1手順として新設。各校が「学科の特性」「探究活動」「地域貢献」「文化・体育的活動」などの区分に応じた学校独自の評価(面接・プレゼン・作文・実技・特定教科のみ等)を実施可。募集は原則各校総募集の50%以下。 |
学力検査 | 5教科(各90点)。国・数・英はA/B/Cの3種類(基礎/標準/発展+共通問題)。理・社は1種類。 |
英語外部検定 | TOEFL iBT/IELTS/英検のスコア換算を活用(換算点と学力検査点の高い方を採用)。 |
調査書(内申) | 活動・行動記録は提出不要。9教科の評定のみを5段階で評価。学年比重は3年:2年:1年=3:1:1。総合点の比率は学力:内申=3:7~7:3の5タイプから学校が選択。 |
「学校特色枠」って何?(合格者決定の第1手順)
新制度の目玉が学校特色枠。各校のアドミッション・ポリシーに合わせて実施区分を3種類まで設定し、面接・プレゼン・作文・実技、あるいは特定教科のみの活用や傾斜配点など、学校独自の方法で選抜します。志願者は1つの特色枠に応募できます。
●募集割合は原則50%以下(上限まで必ずしも合格者を出すとは限らない)。
●特色枠で不合格でも、第2手順で学力検査+調査書の総合点による判定に回ります。
出願の幅が広がる:同一校内「複数志望」+公立「第2志望校」
同一校で複数の学科を募集する場合は、同一の学力検査問題を使い、第1志望・第2志望の学科間複数志望が可能になります。さらに、全日制では公立第2志望校への出願機会も新設。第2志望校の合否判定は、第1志望校の共通問題(国・数・英)の成績と調査書を用いて行われ、第1志望の志願者が募集人員に満たない高校で実施されます。
学力検査の中身(5教科・各90点)と英語外部検定の活用
●国語・数学・英語は、A(基礎+共通)/B(標準+共通)/C(発展+共通)の3種類から学校が使用問題を選択。
●理科・社会は1種類。
●英語は、TOEFL iBT・IELTS・英検のスコア等を換算し、換算点と当日の英語点の高い方を採用。目安は下表。
TOEFL iBT | IELTS | 英検 | 読替え率 |
---|---|---|---|
60~120 | 6.0~9.0 | 準1級・1級 | 90% |
50~59 | 5.5 | (対応なし) | 80% |
40~49 | 5.0 | 2級 | 70% |
調査書(内申)の見方
●9教科の評定のみ(活動・行動の記録は不要)。
●各学年の評定は5段階。
●学年比重は3年:2年:1年=3:1:1(3年を重視)。
●総合点の比率は学校が3:7/4:6/5:5/6:4/7:3の5タイプから選択。
●原則、9教科を同等に扱う(科目ごとの軽重はつけない)。
主な日程イメージ
●2月16日 帰国生選抜など(先行実施)
●3月1日 一般選抜(学力検査等の基準日)
●合格発表は概ね6日後(週休日除く)
●一般選抜で定員未充足の場合は二次選抜を実施/秋季選抜は継続
どんな子にチャンス?(目安)
●得意分野でアピールしたい:面接・プレゼン・実技等を含む学校特色枠を活用。志望校の実施区分と評価資料を研究。
●5教科型で勝負したい:学校の問題レベル(A/B/C)を把握し、時間配分とケアレスミス対策を徹底。
●英語が強い:外部検定の換算を活用(ただし換算>当日点とは限らないため、当日の得点力も鍛える)。
●内申に不安:中1~中2から提出物・定期テスト・授業姿勢で底上げ。3年の比重が高いため今からでも間に合う。
個個塾からの準備アドバイス
1.中1・中2:提出物・定期テスト・授業姿勢=内申の「土台」を固める。英数は先取り・復習のリズム化を。毎日学習する習慣を身につけましょう。英語は外部検定の受験計画も検討。
2.中2の後半:志望校の特色枠の内容と使用問題レベル(A/B/C)を調査。必要なら「面接・プレゼン・作文」の出題傾向をチェックしましょう。
3.中3の春〜夏:内申だけではなく実力アップに向けた計画を。定期テスト勉強だけではなく、受験勉強として中1・中2の総復習を本格化していきましょう。
4.中3の秋〜冬:過去問演習の計画化(時間計測・採点・振り返り)。面接・作文の練習開始。出願戦略の最終調整(第2志望校の出願戦略と、同一校内の複数志望の組み合わせ)。出願手続き(電子出願)も直前であわてないようにしっかり調べておきましょう。
【まとめ】制度は変わるが、準備が早いご家庭が一番強い
一本化でスケジュールは分かりやすくなりつつ、学校特色枠の導入や第2志望校の出願機会などで戦略の幅は広がります。だからこそ、だからこそ、内申の土台づくり+基礎学力の底上げ、そして学校研究の3点セットが重要です。
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※本記事は大阪府教育委員会の一次資料に基づき作成しています。最新情報・詳細は必ず大阪府公式ページおよび各校の募集要項でご確認ください。